Ryzen 9000系TPM2.0脆弱性とBIOSアップデート手順

Uncategorized

結論:Ryzen 9000シリーズを含む幅広いAMD製CPUにTPM 2.0の脆弱性、BIOSアップデートが推奨されています

2026年8月11日、AMDはセキュリティ情報「AMD-SB-7064」で、Ryzen 3000〜9000シリーズやThreadripper、EPYCなど幅広い製品のTPM 2.0(fTPM)に関わる脆弱性2件を確認したと発表しました。Ryzen 7 9800X3Dのような最新CPUも対象に含まれています。すでにAM5マザーボード各社から対応BIOSが配布されているため、この記事では脆弱性の概要と、実際にBIOSをアップデートする手順を解説します。

この記事でわかること

  • 今回報告されたTPM 2.0脆弱性の概要と対象範囲
  • 一般ユーザーにとって実際どの程度のリスクか
  • AM5マザーボードのBIOSアップデート手順(Instant Flash方式)

何が起きたのか:AMD-SB-7064で報告された2件の脆弱性

TPM(Trusted Platform Module)は、暗号鍵の生成・保管などセキュリティ機能を担う専用チップで、AMD製CPUの多くはマザーボード上に専用チップを持たず、CPU内蔵のfTPM(ファームウェアTPM)としてこの機能を実現しています。Windows 11の必須要件のひとつでもあり、多くの自作PCで有効になっています。

今回発表されたのは、このfTPMに関わる脆弱性「CVE-2026-6726」(CVSS 8.5)と「CVE-2026-6727」(CVSS 8.3)の2件です。対象はRyzen 3000シリーズ以降からRyzen 9000シリーズ、Threadripper、EPYCまでと幅広く、当ブログのベース機であるRyzen 7 9800X3Dも含まれます。

対象範囲とリスクの実際:過度に心配しなくてよい理由

CVSSスコアだけを見ると深刻な脆弱性に思えますが、今回のケースには重要な前提条件があります。それは、攻撃者がすでにローカルで管理者権限を得ている必要がある、という点です。つまり、インターネット越しに勝手に攻撃されるような性質のものではなく、すでにPCを何らかの形で管理者として操作できる状態にある攻撃者が、TPMの内部情報に不正にアクセスしうる、という限定的なリスクです。

💡 Tips:管理者権限を他人に渡さない・不審なソフトを実行しないという基本的な対策ができていれば、緊急停止するほどのリスクではありません。とはいえ無償で適用できる修正なので、後述の手順でBIOSアップデートを済ませておくのが安心です。

AM5マザーボードの主要メーカー(ASUS・MSI・Gigabyte・ASRockなど)はすでに対応BIOSを配布済みです。お使いのマザーボードのサポートページで、最新BIOSの更新履歴に「TPM」「fTPM」「セキュリティ」といった記載がないか確認してみましょう。


BIOSアップデートの手順(ASRock B850I Lightning WiFiを例に)

AM5マザーボードの多くは、OS不要でUEFI画面上からアップデートできる機能を備えています。ASRockではこれを「Instant Flash」と呼びます。ここではASRock B850I Lightning WiFiを例に、基本的な流れを解説します(他社マザーボードでも大まかな流れは共通です)。

事前準備

  1. ASRock公式サイトのサポートページで、自分のマザーボード型番(B850I Lightning WiFi)を検索し、「BIOS」タブから最新版をダウンロードする
  2. ダウンロードしたzipファイルを解凍し、中のBIOSファイルをUSBメモリの直下(フォルダに入れず)にコピーする(USBメモリはFAT32でフォーマットしておく)
  3. ノートPCのバッテリーと同様、停電・電源断はBIOS破損に直結するため、デスクトップPCの場合も安定した電源環境で作業する

Instant Flashでのアップデート手順

  1. USBメモリを挿した状態でPCを起動し、起動直後にDeleteキー(またはF2キー)を連打してUEFI(BIOS)画面に入る
  2. 「Tool」メニュー内の「Instant Flash」を選択する
  3. USBメモリ内のBIOSファイルが自動検出されるので、対象ファイルを選んでアップデートを開始する
  4. 更新には数分かかり、完了すると自動的に再起動する。再起動後、BIOS画面のバージョン表示で更新が反映されているか確認する

注意点

  • 更新中は絶対に電源を切らない:BIOS破損でマザーボードが起動しなくなるリスクがあります
  • OC設定をしている場合は設定値をメモしておく:BIOSアップデート後は設定がリセットされ、デフォルト値に戻ることがあります
  • Windowsの回復キーを確認しておく:BitLockerを有効にしている場合、TPM関連の設定変更後にBitLockerの回復キー入力を求められることがあります

まとめ

  • AMDがRyzen 3000〜9000シリーズ、Threadripper、EPYCに影響するTPM 2.0の脆弱性2件(CVE-2026-6726・CVE-2026-6727)を発表
  • 攻撃には管理者権限のローカルアクセスが前提となるため、緊急性は高くないが対策は無償で可能
  • AM5マザーボード各社は既に対応BIOSを配布済み。Instant Flash(ASRockの場合)でOS不要でアップデートできる
  • 更新前にOC設定のメモとBitLocker回復キーの確認を忘れずに

参考: nichepcgamer「AMD、Ryzen 9000シリーズ含むTPM 2.0脆弱性を発表」

コメント

タイトルとURLをコピーしました